月と親しむ別邸

十七録(となろく):月愛でる仕掛け凝らした桂宮

 桂離宮に長男と出かけた。雨模様と覚悟したが、当日正午までは曇りとなっており、十時からの見学は、雨降ることもなく幸いだった。入口がよく分からず、受付が終わったのは十時二分前になっていた。すでに他の見学者は待機されていた。

 丹念なガイドの説明で案内された。驚くべき風景が展開されるかと思ったが、それほどびっくりするものではなかった。池の水は澄んでおらず、また侘び寂びの状態となっており、意外と質素だった。もちろんここかしこに貴重な建物や灯籠、池、橋があり、緑もよく配置されているが、例えば天竜寺のほうがむしろ立派な印象をもったほどだ。

桂離宮の庭園

 ガイドが月を楽しむためにしつらえた仕掛けの説明をされ、よく考えられていると思った。名月の日に見学できればさぞかしよかろうと想いが募った。桂川の氾濫で水没した跡が壁に残っており、狩野川台風で屋根が飛ばされた話もあり、大変な災害に遭遇したことがわかった。、今は桂川とは切り離し、池には地下水を汲み上げて流しているらしい。

 手水がところどころにあったが、苔等が生えないように小石が入れられており、2〜3年に一度ぐらい賓客が見えたときには小石を出して水を入れることがあるとのことだった。薩摩藩から入手したソテツが植えてあり、いろいろ遊びごころのある別邸だった。